湊くんの秘密。



あたしが体をねじって振り返ると、すぐに湊くんの唇が降ってくる。



ずるいなぁ。湊くん。

本当にずるい。



あたし、湊くんと出会ってから、何回この単語使っただろう。



あたしが好きなことばっかり、するんだもん。

ずるいよ。



キスされながらそんなことを考えていたら。



「何考えてるの。余計なこと考えられるくらい、余裕あった?」



唇と唇の隙間を少しだけ開けて、そう聞いてきた湊くんは、

完全に悪い顔をしていた。



「んっ、まっ…」


待って、という前に湊くんの口で塞がれ、あっという間に何も考えられなくなった。



「ストレス0になりました」



まぁ……口が離れたあとに、殺人的な笑顔でそう言われたから…よしとする。


< 78 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop