湊くんの秘密。
といいつつ、背中からぎゅっと抱きしめる体勢は変わらなくて。
ただ無言であたしは抱きしめられている。
「あのー…ストレス0になったんだよね?」
「…ストレスがなきゃ、抱きしめちゃいけないわけ」
「や!!!断じてそんなことは……!」
そんなこと言われて、離して、なんて言えると思うかーーっ!
と、激しくツッコミたくなったけど、できるはずもなく。
耳元で聞こえる湊くんボイスにやっと慣れてきたころ、
腰に回っていた手が、あたしの頭にポンと置かれた。
「なに?」
「ん?いや、別に何も。撫でなくなったから」
やっと落ち着いてきた心拍数も、またドクドクと波打ち始める。
最初の方のドキドキをぶり返すなんて!!
湊くん、あたしの心臓ぶち壊す気?!