湊くんの秘密。
前を向いて、両手で顔を覆っていたら、あたしの肩に、湊くんの顎が乗った。
わ…、あたし、甘えられてる…?
そんなことが脳裏をよぎったんだけど、考え出したらまったく熱が冷めそうにない。
絶対どっかから変な汗出てる。
湊くんが出てるアニメの1話をやっと見れたみたいな。
多分、わかってくれる人なんていないと思うけど…。
「…あ、ダブルブラックの台本みる?」
そう湊くんが言ってくれたのは、それから5分くらい経ったときだった。
「え!!あたしが見てもいいの…?」
こんな一般人の部外者が。
ただのアニメ好きの女子が。
凡人中の凡人が。
「今は7話まで放送したから、7話までの台本ならいいと思うけど…。
…持ってくるから待ってて」