湊くんの秘密。




「だって、ダブルブラックの特集記事出てたし、湊くんだって載ってたし」



そりゃあ、買うでしょうよ。と心の中で呟く。



出てる雑誌はちゃんと買って、クリアファイルに保存してることは言わなかった。


なんか、恥ずかしくって。



そしたら急に、湊くんが台本を取り上げた。


「…あっ、まだ見てたのにーっ!」

「台本なんていつでも見せてあげるって。でも、台本見せて、喜んでくれればそれはそれでいいかなーって思ったんだけど…」



隣で湊くんは、考えるような仕草をした。


「違う方法で喜ばせることにしたっ!」



犬みたいな笑顔で、あたしに抱きつこうとしてくる。



「……なんで避けんの」

「だだだ、だって!なんか、いきなりすぎて…っ」



あまりに急すぎて、のけぞってしまった。



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