湊くんの秘密。



「なんでもない。 ただ、湊くん可愛いなぁって思って」

「………嬉しくないんですケド…」



あたしにはわかるよ。

嬉しそうな顔してるもん。



イベントとか、雑誌とかで先輩声優さんに不意に褒められるとき、

いつも、そういう顔してる。



口は尖っててふてくされてるのに、口角だけは上がってて、しかも顔が少し赤いの。



嬉しい証拠でしょ、立派な。



なんて湊くんの顔を思い出していたら、また笑えてきた。



「蘭ちゃん…今度笑ったら耳元で超エロい大翔ボイスお見舞いしてやる」

「ひぃい!!やめて!死ぬ!」



カゴを手に持ちながら、耳をふさぐ真似をした。


楽しい。

湊くんといる時間が、全部楽しい。



こんな時間が、いつまでも続けばいいのに。

なんて考えたら、寂しくなったからやめた。



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