全ての想いはビードロの中に
  それから君は赤い鼻緒の下駄を履きお揃いの浴衣を着せられた僕達2人と共に、太鼓の響きに吸い寄せられるように神社の境内へと繰り出した。  


  だけど君はお祭りを見るよりもむしろ境内にズラリと並ぶ縁日のお店の方に興味津々で、兄にリンゴ飴やマシュマロ飴を買って貰ったり、水風船釣りをしては、はしゃいでいたね。


  ちなみに『あれは何?コレは何?』と逐一(ちくいち)兄に質問攻めしていた君は、まるで好奇心丸出しの子供のようで、妙に可笑しかったっけ。


  でもって君がもっとも興味を示したのは意外?にも、あのビードロだった。尚、君は早速兄にビードロの吹き方を教わっては、一生懸命にビードロを吹いていたっけ。
< 5 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop