全ての想いはビードロの中に
  その必死な君の顔が妙に可笑し過ぎて僕が大笑いすると、兄と君も僕につられて3人で大笑い。


  それからその翌日兄と君と僕との3人で慌ただしく観光地を回り、そんな楽しい日々が過ぎる頃には、純粋無垢でしかも顔の表情がクルクルと変わる幼い子供のような君にすっかり魅せられて、気付けばたちまちのうちに君を好きになっていた。


  でもやがて兄と君との付き合いが順調に進み、その後君と兄はめでたく結婚をした。そして君と兄との間に子供が出来たと解った時点で、僕は君への思いを封印せざるを得なかった。


  だが3年後突然兄の訃報(ふほう)の知らせを受け、兄の元を訪れた僕は君のあまりにも疲れきったその様子に驚愕(きょうがく)した。
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