*RewindinG*
帰り支度をし、正門まで向かう。

亮輔、憲太。

いつもならいるはずの時耶はいない。

いつもなら僕の隣にいる涙もいない。


「あっごめん・・・!」


突然そう声をあげたのは僕だ。


「・・・?」
「なに?」


二人とも僕が突然声を上げたためか少し驚いたような表情をしていた。


「教室に携帯忘れた!」
「もう先帰っててくれていいから!」


僕はそう言うと足早にその場を去った。

涙たちのことを考えていると偶然、教室に携帯を忘れたのを思い出したのだ。

僕は小走りで教室に向かった。

廊下にはあまり人はいない。

みんな部活やらなんやらで行ってしまったのだろう。

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