*RewindinG*
「僕は、お前も涙も信じてたのに・・・っ」



僕はそうとだけ言い残し、その場を去った。

これ以上あんな喧嘩をしていてもなんの意味もないと気付いたからだ。

むしろ僕が空しくなるばかりだからだ。




その晩、僕は自分の部屋に閉じこもり何も飲まず食わずだった。

昼間のことを思い出すと今でも無償に腹が立つ。


「何なんだよ!」


やり場のない怒りを近くにあった鏡にぶつけてしまった。

鏡は脆くも殴られただけでパリンと割れてしまった。

細かく入った線。

僕の拳からは赤い血が滲んでいた。



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