花散るころに







「広瀬」


その文字を探して


席に座る


窓際で


1番後ろ












「広瀬さんだよね、よろしく!」








前の席にいた


明るい茶髪の子にそう言われ













「こちらこそ、よろしく」















そう返した


人懐っこい笑顔になると


イスをこちら側に向ける彼女
















「あたし、上重晴香っていうの
気軽に晴香って呼んで!」


「あたしも流でいいよ」


「流さ、川島君と仲いいの?」


「川島・・・ああ、大我?」


「そうそう!」


「幼馴染だけど・・・なんで?」


「有名だよ、バスケで推薦されるなんてあんまりないから」


「へぇ・・・」


















確かに大我はバスケの腕は確かだ


だから推薦されたって聞いた時も


あまり驚かなかった


むしろ当たり前だと思った


でも


そんなすごい高校に推薦されたとは・・・















「それに、渡部君。トップで入学した秀才でしょ」


「らしいね」


「紫苑さんも可愛いよねぇ」












要するに


3人は人気者で


あたしだけ普通


おまけ、というところか
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