花散るころに
1年4組
そこがあたしたちの
新しい居場所
教室に人がたくさん入り始めて
うるさくなってくる
「あたしはおまけかぁ…」
「おまけって?」
晴香が不思議そうにこちらを見つめる
「大我はバスケの天才、愛結は可愛いし颯人は秀才
そんな3人の中にいるあたしってかすんでるよなぁ、って」
「…流って根暗?」
「は?」
「あ、違う。ネガティブか」
1人で納得してる晴香
あたしがネガティブ…?
「いや、違うと思うけど」
「流だってきっと輝けるよ」
「そお?」
「好きなこととかないの?」
好きなこと
それに当てはまるのは
1つしかない
「…歌、かな」
「歌?」
「歌手になるのが小さいころからの夢」
「へぇ、いいねそういうの!」
あたしはねぇ、って話し出す晴香
不思議と楽しい気分になる
「あたし夢、カフェ開くことなんだぁ」
「カフェ?」
「そう。料理好きだし、間近で誰かが自分の作ったもの食べて喜んでくれると嬉しいじゃん?
だからいろんな人の笑顔みたいなぁ、って
まぁ、親とかには“小さいこの夢か”って笑われるんだけど」