恋愛ターミナル

徹平の言葉をしっかりと耳にしながら、目は黒い箱一点を見つめてた。

するりと白いリボンを解くと、カパッと音を立てて開けた。


中にあるのはシルバーの……いや、これ、プラチナ？

シンプルな、細めの綺麗な輪。その輪には途切れることなく、小さな輝きがちりばめられていて、この家の蛍光灯ですら、その光を静かに放ってる。


恐る恐るリングを手にしてかざすように見てみると、裏側にもひとつ、なにか石が埋め込んである。
もしかして、もしかすると、これは誕生石？


「すごい……好みドストライク」
「そりゃそうだろ。おれより凛々のことわかるやつがいてたまるか」


この流れで、最高の殺し文句。

こんなに長いこといるのに、指輪なんてものを貰ったのなんてただの一度もない。
はじめての指輪が、こんな高価そうな――意味のあるリングだなんて。

私のドキドキは最高潮。それが自分の手におさまる図を想像しながら、左手の薬指にゆっくりとはめていく。


「…………あれ？」