恋愛ターミナル
「でも、義務を感じて言った言葉じゃないよ? オレが言いたくて言ったこと」
この甘々な状況をどうすればいいの!
腰にまわされた手や、撫でられる髪がくすぐったい。
もう、仮に晃平さんの「愛してる」が言わされたものだったって、私の好きって気持ちは簡単に変わらなさそう。
「ね、亜美。一緒になったら、メシ作ってオレの帰り、待っててくれる?」
「え??」
「その代わり、休みの日は亜美の行きたいとこに行こう」
「ええ??」
な、なにを? なんの話?
まさか――――。
振り向いた先にいる、ちょっと乱れた髪の晃平さん。
ニコリと微笑む顔は、やっぱりすごく優しい笑顔。
「ちゃんと、結婚前提で一緒にいよう?」
語尾を上げて、ちょっと窺う感じで言う晃平さんの話し方が、すごく好き。
私、わかった。
結婚することがゴールじゃないし、そこまでの理想とか希望とか。
そういうのって、いざそうなると違うものだし、どうでもいいんだ。
大事なのは、自分の気持ちと相手の心。
それさえちゃんと繋がっていれば、どんな時間も自分の理想に匹敵するほどの幸せなものになるって感じたから。
「はい……! ずっと、一緒にいたいです」
晃平さんの幸せそうな顔が、私の幸せに繋がるから。
「ふ」と笑って晃平さんが言う。
「ははっ。それ、オレも同じ」
私の幸せが、あなたの幸せでもありますように。
―TERMINAL1 END―