恋愛ターミナル
そんなのもはやただの同居人じゃん。
そんな不満がふつふつと沸いては、それを消化出来ずに、買い物や飲んで発散したりしてる。
周りが充実してそうな中で、彼氏はいるはずなのに、自分だけが置いてけぼりをくらってる気がする。
現に、さっきの電話の亜美だって、ついこの前まで彼氏もいなくて「結婚したい」とか言いながらも一番遠い位置にいたくせに。
それがイケメン彼氏が出来て、順調だっていうんだから面白くない。
亜美が幸せそうなのは、喜ぶところだし、ただの僻みだってわかってる。
梓は「結婚しない」と豪語してるわりに、相手だけは切れなくて。
彼氏が毎回変わっても、共通してるのはデートもして、大事にされてそうなとこ。
そんな梓を見て、あんなに優しく、尽くされてるくせに「男は二番以下」ってスタンスが信じられない。
そんな二人とどうしても比べちゃって、『どうして私は』って思ってしまう自分が嫌だ。
それもこれも、全部――――。
「テッペーが悪いっ」
イライラした気持ちを、徹平の大事なプラモデルを破壊することで発散しようとしたけど、手を振りかぶってたところで思いなおしてそれを降ろした。
「……出掛けよっ」
こんな、徹平の影がそこかしこにありすぎる家なんかにいたってむかつくだけだし!
ちょうど給料日後だし、買い物でもして気分上げなきゃ。
こんないい休日なのにもったいない。
一人で買い物するのは抵抗ないけど……。でも、誰かにこの溜まってるものを聞いてほしい。喋って喋って、すっきりとしたい。
いずみは新婚だし、亜美もあの様子だと私の愚痴なんか聞ける感じじゃないし……。
と、なると残るのは――。