お嬢様の事情その1

後日談

『ねーぇー。』
そうごねた声を出しているのは優だ。
『何があったのよー。』
くたくたと林檎にへばり付く優を押しのける。

『なんでもないの。』
ツンっとすまして廊下を私は歩く。

『綾美ったら何事も無かったかのようにしているわ。林檎、あなたも。静香なんてなんだか楽しそう。』

ふふっと私は笑う。

あれから一週間。
白松グループは笠原グループから手を引き、取引先は戻ってきた。

細々とした損失は穴埋めされ、問題は無事解決したと言うわけだ。

林檎はホッと息をついて優と中庭に出ると綺麗な青空が私たちを見守っていた。





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