お嬢様の事情その1
まず、私の朝はメイドが起こしにくるのだ。

朝6時、メイドの立川麻耶さんが起こしにくる。ワゴンに牛乳と日によって具の違うサンドイッチを乗せて。

私はゆっくりベットで朝食をとる。

メイドは部屋の隅に立ち、給仕をする。

朝食を食べ終わったら備え付けのバスルームに入り、着替える。

その間、メイドの麻耶さんが部屋を掃除する。

私に与えられた部屋はベットルーム、ドレッシングルーム、クローゼットルーム、リビングルーム、バスルームにテラスが一つ。

どの部屋にもヴィクトリア調の家具が備え付けられ、私の名前がほってある。

ベットルームにはクイーンサイズの贅沢にファブリックを使った天蓋ベット、サイドテーブル。スツールに本棚がある。

ドレッシングルームにはドレッサー、大理石の水周り、化粧品や小物を入れるキャビネットがある。

クローゼットルームには洋服が壁面収納に揃えられている。アクセサリーや靴もここにある。

バスルームにはジャグジーがあり、広々とした空間だ。

大抵、私がいる専用リビングはソファーにローテーブル。チェアにキャビネット。机、テレビがついている。

お風呂から上がった私はドレッシングルームに行き、麻耶さんに髪を整えてもらう。

その後、クローゼットルームで服を選び着替える。

朝七時半に車に乗り、学校の近くで降ろしてもらう。

中学時代はようやくここで庶民的な暮らしになる。

土日は必須科目の勉強やバイオリン、ピアノ、声楽、バレエ、習字、花道、茶道、絵画など多くを学んだ。

とにかく忙しいが、麻耶さんのサポートで乗り切った。

中学から高校までの間で麻耶さんとは随分と打ち解けたのも頷ける。




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