ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
もしかしたら。
さっきの…思い出したんちゃうか?
「……お前に…ピッタリやと思ってん。」
「…え……?」
「狂犬になったり、急に…おとなしゅうなったり。じっと堪えて燻ってる辺りが…似てる。」
「…………。」
俺もまた、花火に火をつけて……。
二つの火花の行方を追う。
「……失礼やなあ…。小心者ってこと?」
「……そや。」
「………でも…、ありがとな、由良。こんなしょーもない小心者の為に…、わざわざ駆け付けてくれたんやもんな。」
ポトリ、と……。
日向の玉が落ちる。
「あれっ?得意なんやけどなぁ…。途中で終わってもうた。」
「…………。終わらんで。」
「……ん?」
「俺のとくっつければ…、また復活すんねんで。」
「……え?」
日向の花火の先に、俺の火の玉をつけてやると。
仲良う二分されたその玉は、ちっちゃくなって……
けれど、二つの鮮やかな火花を…散らす。
「……ホンマや……。」
奴はやっぱり嬉しそうにわろて、俺の方を見た。
「………。ホントはな…、『小夏』。お前の名前に…ぴったりやろ。小さい…夏。」
「…………。由良…?」
今度は、俺の花火の方が……
地面に落ちた。
地面の上で、細い火花を…散らしている。
「燻ってんのは…、俺の方やな。」
散々一緒にいて、何ら意識もしとらんかったのに。
気づいたら……
こんなに好きんなっとるなんて。
こんな………
今更、悔しい思いをするだなんて、
予測……できんかった。
俺は、奴の腕を…そっと掴む。
「……?なんや、私のも落としたろって作戦?」
日向の腕に…、ぐっと力がこもる。
「……落ちてくれるん?」
「は?知らんわ、花火に聞き~?」
「……堕ちればいーのに。」
「…………?」