ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)








帰り道……。




バスに揺られて、疲れ果てた生徒たちは皆……



眠りについていた。






私の隣りは……



やっぱり、由良。





すよすよと寝息をたてて…寝ている。




結局試合は……、延長戦。11回まで縺れこんだけれど、最後にポカスカと打たれ、敗退……。




それでも、好ゲームを繰り広げた選手たちには、両スタンドから惜しみない拍手が…贈られた。








「…………。疲れたんやろなあ……。」



最後まで一緒に突っ走った由良……。(一次休戦したけど。)




生意気なつり眉が、垂れ下がっている。



こちとら、あんな大告白&大恥をかいたのだから…寝れる訳もない。



その状況下でも寝れてしまうのだから。



「……大物になるで。」



……ちっこいけどな。







バスが揺れて。


窓に寄り掛かっていた由良の頭が……



ずっしりと私の肩へと…、のしかかった。





「……………。」



……近っ……!顔………、近っ!!



アカン……これ、どないしたらええの…?






目のやり場に困っていると。






由良の手が……


いつの間にか、私の手を握っていた。





「起きてるなら、はよ言…」


「……しっ。」



「……………。」


え?なに?




ヤツは指をちょいちょいっと動かして…、手招きする。



それから、私の肩に頭をのせたまま、ゆっくりと……目を開けた。




「…………??」




訳がわからん。





「あほ。」




由良が小さくそう言ったかと思うと…、



私の首元をぐいっと引き寄せて。




ちゅううっ、と…


キスをした。




「…………!!!」



こ………、公衆の面前で!




周りをキョロキョロ見渡すと…、みんな寝ていて、どうやら気づいては…いない。




由良は起き上がって…、にこりと笑う。






「……スリルあるな。」





視線は…同じ高さ。



ちっこい男、由良秋大……。






だけど……、




大胆にも、私に抱き着いて。




今度は絡まるようなふか~いキスをしてくるような、ちいと肝っ玉座った男。






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