ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
「別に気負うこともなさそうやし…、私でもええで。」
流れに乗って…、私も一応立候補。
で、
「じゃあ俺が。」
由良がそう言うと。
「「「あ、どうぞどうぞ。」」」
うちら皆で……
手のひらを返す。
「…はい、ほな由良くんリーダーで。」
アキラの鶴のひと声で、あっさりと…決定。
つらつらと…用紙に名前を書き綴った。
『1組3班リーダー「由良秋大」』。
「なんやねん、このくだり…。アホちゃうかっ。」
ぷんすか怒る由良を、「まあまあ」と細谷くんが宥める。
千波ちゃんは、うふふとわろて、なんや和やかなムードが漂っていた。
「……あは、楽しみやなぁ。」
ええ感じやん。
「しゃーない、おまえらコキ使っちゃるわ。」
覚悟を決めた由良も、ふっと笑みをもらして、何やら楽しそうやねんなあ…?
「…ところで、日向。」
「あい?」
「チャンスやん、なあ?」
「………。…あい?」
「学年行事やん。これを機に奴との親睦を深めるチャンスやで。」
由良が私にこっそり耳打ちする。
「……あらぁ…♪逢い引きの約束?」
途端に、アキラの…横ヤリ。
「「ちゃうわ!!」」
思わず…二人ツッコミ。
「お前はどこまで惚けとんねん。せやから…、アイツとや。『阪本』。」
「………。何でやねん。」
「だから、『恋』やろ。」
「『鯉』?Carp?」
「……発音ええな…。…って、ちゃうねん。頭から野球切り離せ。あれか?お前、自覚ないんやろ。」
「…………?」
「阪本を見るお前の顔。ありゃあ間違いなく惚れとんで、奴に。」
「……そうなん?」
「そーや。」
「…………。なあ、それってな、胸がぎゅううって痛なる?」
「ぉお、なるで、なるなる!痛なったり、ドッキドキしたりな。」
「…『ドッキドキ』!確かにするわ。…アンタも香澄ちゃんとおるとそうなるんか?」
「俺らくらいになるとそうでもないで。いちいちドキドキするよーな中坊の恋は通り越しとるからな。…オトナやねん。」