ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
さくさくと歩いて、
「……おっ、あったで、第一ポイント!!」
由良が突然……、声を上げた。
「何ナニ?」
メンバーがわらわらと集まって……、由良を囲む。
「『……このテープが張られてる区間に、自然物ではないものがいくつか隠れています。みんなで探して、いくつあるのか確認せよ。』やて。」
「……自然物で…ないもの?」
皆、目を凝らして…
じっとその場を注視しながら…歩く。
「………。日向……。」
「なんや、由良。」
「見てみい、お前の足元。」
「……。また蛇いてるとか言うんやろ?」
「ちゃうわ。ちゃうちゃう…。新種の…キノコや!」
「ん?」
私が足元に目をやると……、
「…………!!ホンマや……。」
のほほんとそこに佇んでいるのは……
今お流行りの、『なめこ』はんやないですか!
「栽培してもよろしいでしょうか!」
「幻のキノコやねん、他の奴らにも見せなアカンやろ。」
「了解!………は……っ!リーダー!命を狙われております!」
「…ナニィ?!」
「隊長に向かって銃を向けてる男が…葉っぱの上に!!」
「むむっ……!こいつは……、ジゲンさんやないかい。」
茂る葉っぱの間から…、
小さな指人形が見え隠れする。
「ちゅーことは、お仲間が潜んでる可能性が…!ルパァ~ン♪」
「ふ~じこちゃ~ん♪」
ラブな作戦はどこに行ってしまったやら……。
結局、やっぱり私の隣りにはちっこいオッサンがおって。
あーだこーだと突っ込み合いながら……
大いにはしゃぎまくったっちゅーワケや。
ちゃんちゃん♪♪
「………。いっこくらいわかりづらいとこに移動させたろ。」
あら…、由良さん、まだこのくだりは終わりちゃうねんね。
由良は私を手招きして…
悪戯企むガキんちょみたいにわろてる。
「そやな。木にぶらさげたろか。」
悪ノリして……
木の枝に、蔓でぐるぐる巻きにした銭形のオッサンを…吊す。
「……頭上注意やねんな、オッサンに逮捕されるわ。」
ウチらが…逮捕モンかもわからんなあ……?