ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
……確かに。
身長のワリにはゴツゴツとした大きな手ェしとるわ。
筋張った腕も…案外筋肉質やなぁ…。
「………?何、じっと見て。」
「アンタってなんか運動的なことしとったん?今更やけど、体育とか得意やねんなぁ?」
「ホンマ今更やな。言ったことなかったか?」
「………。そやね、割と…プライベートな話はしてへんもんなぁ。」
「プライベートとかって大袈裟。俺はいつでもオープンにしてるつもりなんやけどなあ……。」
「……そう?」
彼女いてることだって、あーゆー話の流れがなかったら多分知らんかったわ。
ある日突然ラブラブな姿目撃して、衝撃受けたんやろうなあ……。
「………野球…、しとった。小学校の1年の頃からな。」
……野球……。
「……そうやってんな、だから…野球好きなんや。けど…、そんなん長くしとったのに…高校では何でせえへんかったん?」
「………。あんな、ウチの学校の野球部って…県じゃ強豪やろ?」
「…そやな…。」
「県外の推薦組も多くいてる。」
「……そやな……。」
「それに、この身長やし。」
「……そ…、………。…いや、身長関係ないやろ。」
「……ってのは…いい訳。自分の腕じゃ通用せぇへんのがわかっとったから…諦めただけや。」
「………。…そっか。」
あかん…、こういう時、気の利いた言葉ひとつ…出えへん。
どれだけ女子力低いいんよ、私……。
話題の変換しな…!
「えと…、ポジションはどこやったん?」
……アカン!野球脳は所詮、野球にしか辿りつかへん……!
「ん?ショート。」
「………!守備の名手やん…!そら格好ええわ!」
「………。かっこいい?」
「おう!最高のポジション任されとったんやん、自分。凄いわ。」
「…………。……ま…、まあな……。」
「ん?てれとる?顔真っ赤やで。」
「うるさいっ、誉める相手間違ごーてるわ!その減らず口縫ったろか?いや、それよかこっちの裏側を塗ってくれ。」
「………。かわええなあ…。」
私は鍋底に顔を潜りこませて、裏側へと…手を伸ばす。
「…わ、バカ、そんなんしとったら…」
由良の忠告その通りに。
「………うぎゃっ…!!」