ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
ウチらは校舎の前まで早足で歩いて。
掲示板の前で……
立ち止まる。
「神サマ、仏サマ、江夏サマ……!」
両手を組んで…、願いをこう。
「なあ、最後の人選はなに?」
「阪神タイガースの神!関西の人間なら解るやろ?同じ『夏』の名を持つだなんて…運命としか思えへん!」
「……。さいですか。」
掲示板には……、2年生のクラス名簿。
どうか……、
ああ、どうかひいちゃんと同じクラスに……!!!!(願)
「「……あ。あった!!」」
誰かと……声が重なる。
私は、つい辺りを見渡すけれど……。
「…………?」
その声の犯人は、判らない。
「……………!!!」
私の名前があった1組。
その名簿をずぅ~っと上から下まで何度も往復させるけれど……。
「……ないッ!ひいちゃん、名前がないで!」
隣りにいるひいちゃんの肩を揺するけれど……。
「……アンタ誰?」
「……?ん……?」
ひょいと見れば。
「…………!!!」
私が手を置いていたのは…、なんと、知らないオトコの肩!
「アンタこそ誰やねん!紛らわしい背丈しよって!って……、ひいちゃ~ん?」
肝心のひいちゃんは…
名前を探しながら、遥か遠方に…!!
「…熱いんじゃ、ボケ。早う離せや。」
そのオトコは、私の手を払いのけて……。
こちらに凄んで見せるけど。
くりんとした瞳。
くっきりとした二重。
焦げ茶の髪がそよそよと風にゆらいで…その隙間から、生意気にも吊り上がった眉が…見え隠れしている。
しかも、同じ背丈くらいで…なんとも愛らしいルックス。
ソレが憎まれ口などを叩いているから、
「………。……かわえ~な、アンタ。新入生?」
つい……
顔が綻びる。
「は?今名前見つけたゆーたやん。」
「またまたぁ~、入学式は午後からやで?同姓同名ちゃうんか?」
「あるっちゅーねん。ホラ、そこ見いや!」
中坊あがりがぷんすか怒っても怖ないし。
生意気なガキんちょやなぁ…。