ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
滴り落ちた洗剤が…、目の中へと入る。
「いた~い!」
「当たり前や、アホ!早く水で洗わな。」
「…ちょ、目が痛くて開けられへん…。水道どこ~?」
「しゃーない、ちょっ、そこのアンタこの鍋もっとって。」
由良は私の腕を掴んで、「足元気ぃつけろよ。」って言いながら…
水場まで誘導してくれた。
「…いらん仕事増やすなよな~……。」
「………。ごめん。」
「まあ、ええけどな。リーダーの権限で助手としてとことん働かせたるし。」
「………。お…、お手柔らかにお願いしますわ。」
そんなんワケで。
ただ今うちらは…石のブロックで作られた、竃の前。
新聞紙を薪の下へと潜らせて…チャッカマンで火をつける。
「ちいと薪太すぎやな。」
軍手をした手で、木肌をめくりとると。
それを…ひょいっと竃に入れた。
「…手際いいな、由良。」
「ウチのおとんアウトドア好きやねんな、見よう見真似や。」
「……ふ~ん。」
「こら、誰がぼうっと見とけ言うた?働けい!ウチワであおげあおげ~い!」
「はい、隊長!」
まきまきと…うちわで仰ぐと、
「「ぶわっ……!!」」
灰が舞い上がり、おまけに……煙が逆流してきた。
「ばか力!的絞ってあおげや!」
「そんなん言うたって…ぅげほっ…、わからへんもん!」
「…お~目に染みる。……世話焼けるわ……。」
それから、火のついた竃に…
ご飯の鍋と、からっぽの鍋を置いて。
本格的に…、調理へと入った。
「野菜に火ィ通ったかなぁ?」
由良はお玉にじゃがいもをのせて、私に割り箸を持たせた。
「さしてみて。」
「あいよ~。」
割り箸の先っぽをさそうとするけど、
「ん?」
お玉の上でつるんと逃げて……
なかなか、ささりはしない。
「………エイッ!」
思い切り突き刺しにかかると……、
予想以上に固かったそれはとぅるんっと滑らかに滑り、舞い上がり………
「ぅわっちぃい~!!」
由良の腕へと…無事、着地………!!!
「………って、あか~~んッッ!!!」