ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)








授業が始まり、苦手な数Bがスタートすると。




お隣りはんは、更にこれ見よがしに、シャープペンを走らせている。





「…なんや、由良。今日はえらい真面目やな。」


先生のそんな指摘には、



「何を言うてはるのですか。ボクはいつでもまじめっこです。」



こんな陳腐な回答をするから。



「ぶっ…!」


思わず……


笑ってしまう。






ギロリ。




お隣りはんが睨みきかせてるのが…わかる。




「なあ、由良…。まだ怒ってるん?」



「…………。」



「そんなにぷりぷりしとったら海老になるで。」




「………………。」




「何やねん、もう!」





「日向、うるさい!随分と余裕があるようやな。」



「あ……。」




今度は真っ正面から…



睨みが入る。





「次の問2!日向、前に来て解け!」



「え…、ええ~…。」





無謀やで、そんな。


わからんから補習組なんやっちゅーのに…。




「………はぁ……。」



ため息ついて、椅子から立ち上がると。




ばさっ…と、目の前に、ノートが…飛んでくる。




「…………?!」




飛ばした犯人であろう由良は、ぷんと横向いたまま。




「……………。」




真面目っコのノートには、既に解かれた問2の解答と…、その下に、へたっクソな字で『あほ』と書かれてあった。






私はそれを持って…


黒板に、つらつらと解答を書き綴る。






席に戻る頃には、解答に赤いチョークで大きな丸がつけられていた。







『おおきに』


私は、由良のノートにそんな言葉と、

お猿さんへの感謝の印に…バナナを書いて、


お隣りに……


戻した。






















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