ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
授業が終わると同時に、由良は席を立ち上がって…すたすたと教室を出ていく。
しかも、
次の授業が始まるギリギリまで…
戻ってこない。
それが、午前中の時間ずっと続き………
「………なんやねん…、ホンっマなんやねん……!」
昼休み。
とうとう私の堪忍袋の緒が……切れた。
「まあまあ、落ち着いて、小夏。」
「だってアキラ…、謝らせてもくれないんやで。どないせえっちゅーの!」
「どうどうっ」
「馬やない!」
「…………。」
千波ちゃんはオロオロして…ウチらのやりとりを見ている。
「…こんな時由良くんおったらなぁ…。」
「ああ゛?その由良くんがおらんくなるから怒っとんじゃ!」
「や、そーゆー意味やなしにね、アンタがイラついたり悩んだりしてると、上手いこと突っ込んで笑いにすり替えるやろ?じゃじゃ馬ならしならね、狂犬ならしやったんやなあって。」
「…………。」
「由良くんの気持ちもわからんでもないで?だって、散々かもって貰ってたんやろ?自分にしか懐かなかったんが、いつの間にか他にもしっぽ振るよーになって、おまけに…最後にゃ主人離れ。飼い犬に手を噛まれるってこういう状況なんやなって。」
「…………。犬前提で話さんでくれんかな…?」
「……由良離れとかって…、突然、どうした?」
「…だって…、香澄ちゃんに誤解されるし、阪本くんもな、由良んとこ好きなんかと思っとったしな?」
「違うの?」
「違うわ!」
「……ふぅ~ん。私はお似合いや思っとったけどな?由良くんだからこそ…小夏は自分らしくあれたんやし、そんな楽な相手おらんで?」
「…………。」
「由良くんはそれでいいって言ったん?」
「……健闘を祈っとった。」
「……なんじゃそら。そうじゃなくて、アンタの決別宣言に対する…答えは……?」
「………。…………?」
「……何も言わへんかったん?」
「…………。…あ。」
『寂しいやん、そんなの。』
「…言うてたな…、寂しいって。」
『さみしい。』
「……しかも…2回目アリ。」
「めちゃくちゃストレートに言ってるやん!アンタは何でそー大事なとこ聞き逃してるかな!」