ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
この後由良は……、
群れを外れた猿の隠れ家っちゅーもんを教えてくれた。
「ただの図書室やん。真面目か!」
思わず…突っ込んだけれど。
「しー…、司書の先生おるから静かにせんと見つかるわ。」
なるほど……、
確かに身を潜めなアカンらしい。
「……そや。真面目っコやから、ちゃあんと勉強しとるんやで。」
二人本棚の間をこそこそと縫って……
由良が、不意に手にとったのは。
「………漫画やないか。」
「あほう、中国の歴史(三国志)に日本の歴史(ハダシのゲン)を学ぶには恰好の資料やで。」
「………。……そやな。」
本棚に背をつけて、二人しゃがんで…漫画を読む。
声を潜ませ話すのも、
肩が触れ合っていることも、
えらい胸のドキドキを助長させて……
スリル満点やった。
「…ここ、涼しいやろ?」
由良が…耳元でささやく。
吐息が耳に触れて…、全身がカ~ッと熱くなった。
「…ええ場所見つけたな。」
「そやろ?人もおらんし…、穴場やねん。他のヤツには…言うなよ?」
「………。香澄ちゃんは?二人でここでイチャついてるんちゃうやろな。」
「あいつは……知らんよ。」
「……え。」
「だから……、隠れ家やねん。」
「…………。」
真顔で答える…由良。
「………そか…。」
それ以上は、聞けんかった。
ええんかいな、私なんかに教えて………。
「「……………。」」
微妙な空気が流れて。
うちらは…無言のまま、漫画に読み入った。
「………………。」
なんか……
眠なってきたわ。
「「……………。」」
最近…あんま寝れてなかったからな。
「「……………。」」
由良……、スマンなあ、安心したら…どっと疲れが出てもうたんかな。
「………zZZ……。」
せやから、ちょっとだけ。
「…………日向……?」
……肩貸してな?
「…お~い…。……日向……?」
………………。
「………ど、…どないせえっちゅーねん。」