ちっこいラブやもしれんけど。(12/22完全完結☆)
言っとくけどなあ、
手作りなんて…初めてなんやで?
「…ほれ、バースデーケーキ。」
砂で作った無骨なケーキを…指差す。
「…………」
呆気にとられてる…日向。
「はよこっち来い。祝ったるから。」
奴は小さく頷いて、ジャングルジムからひとっとびで…降りてきた。
「……。浴衣着とること忘れてるやろ。」
「……そやな。……由良も浴衣やん。」
「おう。」
「案外似おうてる。」
「…………。」
なんやて。
びっくり発言やな。
「格好ええやん。」
「………!!!」
「………って、お返しやで。さっき、ドキっとさせられたから。」
「……そうか。そら、わざわざおおきに。」
………届いてたんか。
日向は俺の隣りにしゃがみ込んで……
ケーキを指差す。
「昔…よう作ったわ。砂のケーキ。下手っくそやなあ……。」
「俺はデッカイ山は作っとったけど…ケーキは初心者やねん。我慢せい。」
「ろうそくないで?」
「ワガママか、ちょい待ってろ。」
「ジョーダンやん、真に受けて探してくれる気やったん?ええやっちゃなあ……。」
奴は……ケラケラと笑った。
「………。あ!お前……、ケチャップ!!」
大方その存在を忘れていたんやろうけど、
ソレはものの見事に…
日向の右肩と、俺の左肩へとベッタリと付着していた。
「……浴衣…、台なしやな。でも…、」
「「クリーニングに出せばええやん。」」
…………。
つくづく……、男前やな。
「ハンカチあるから拭いたるで。」
日向がそう言って。
手にしたハンドタオルで…、ケチャップを拭きとった。
「暑いし捲ったらええねん。」
奴の二の腕が表わになり、かの有名な強肩も…チラリ。
「…………。」
言うほど…逞しくないやん。
俺よか…華奢。
「……何で食べんの?」
「………。祭っていったらフランクフルトやろ?だから、コンビニで買ってきたんやけど……。」
「けど?」
「一人じゃあ祭ん時みたいにおいしく感じないんやろなあって思て。それに…、素直に見とれとった。……花火に。」
「……。ふ~ん……。」