ココロクスリ

shine


入院生活は苦痛で仕方ないものだった。
暴れないように
縛られたり,
ODが
できないように
必要分の薬を
看護婦さんの
目の前で
飲まされ
飲んだかどうか
口を開けて
舌の裏まで
見られた。

自分を
傷つける事でしか
冷静を
保てない私には
これ以上ない
苦痛だった。

「鈴木さん今日はどう?眠れた?」

主治医の女、
石川は
毎日私に聞く。

『誠に会いたい…』
口癖のように毎日言う言葉を呟くように言うと、

「なら、早く元気にならなきゃね!!」

と、言う。

―元気になれば誠に会えるの?

―私が元気になれば
―私が我慢して頑張れば会えるの?

石川の言葉に
一筋の光を
見つけ出したように思えた。

< 22 / 102 >

この作品をシェア

pagetop