ココロクスリ
何時間そうしていたんだろう―――?
ふと我に返りおもいたったように電話をかけた。
もちろん誠のいる刑務所―――
「はい。○○刑務所」
『あの…そちらに高山誠っていますよね?電話って繋いでもらえますか?』
「どちら様ですか?」
『鈴木です。鈴木チナツ。』
「少しお待ち下さい。」
―――――――。
「お待たせしました。失礼ですが…ご親族の方ですか?」
『あ…いえ。』
「では恋人ですか?友人ですか?」
『…はい…。』
「そうでしたか…。ご家族の方からは高山の件について何も聞いておられませんか?」
―――?
『高山の件って?』
「詳しくはご家族の方からお聞き願いたいのですが――――」
私は,光を失った。