ココロクスリ

会社は寮から歩いて20分ほどの距離にある雑居ビルの4階に入っていた。

かなり怪しげなビルでオートロックだし働いていた期間何度もテナントが出ては入りしていた。

その筋の人らしき会社もある暗いイメージのビルだった。

フロアは広々としていてデスクが12個あり各デスクの上には電話が置かれていた。

そこに社員、個人個人が大きな声で電話している姿があった。

その為か机の数と社員の数が合わない。
無駄に机が多くて社員と社員の距離が大きく空けられていた。

壁には売上表や目標なんかが張り付けられていて私は圧倒されていた。



社長が社員に声をかけると各々が受話器を置いて私に視線を集めた。

「明日から働いてくれる事になった鈴木チナツちゃんや!!先週入った真由の後輩やし皆仲良くしぃや!!」

『分からない事ばかりですが宜しくお願いします。』

と、だけ言うとまばらな拍手をされ社長から社員の紹介をしてもらった。

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