ココロクスリ
会場に着いたらブライダルセットというダイヤのセットがあるからそれをサブと座ってる卓上に持って行って紙とペンを使いペパーリングと呼ばれる紙に書きながら説明する作業をする。
ブライダルセットはネックレスになっていて将来結婚する時に自分が身につけて気持ちを込めたものを指輪にして結婚相手に渡せるというのが売りの商品だ。
教わった通りにユタカに説明しながら自分なりにアドリブもいれつつ話を詰めていく事にした。
一通り話を終えるとクロージングと言って今まで話した内容を聞いてサブにこれを例えば買うとしたら月々支払える額はいくらかを聞く作業にはいる。
クロージングをするとユタカは2万円ぐらいと答えた。
私は素直に嬉しかった。
だって初対面の私に初めて聞いたどんな価値かも分からないモノに月々2万円も出せると言ってくれたのだから。
素直にユタカに嬉しい気持ちを伝えるとユタカは私が一生懸命話してくれたのが伝わったし最初は興味ないしサッサと帰るつもりだったと話してくれた。
クロージングで金額が出れば大方アガリだ。
『じゃあ例えばこの商品が今ユタカ君が言ってくれた金額よりも低かったら頑張れそうじゃない?』
「うん。それぐらいなら。将来要るモノって今日話聞いて思えたしね!」
『ほんまに?メッチャ嬉しいよ!ありがとう。じゃあさ、今ユタカ君が頑張るって言うてくれてる事私今から社長にめっちゃ頭下げて頑張って頼みまくってくるから今言ってくれた金額より1円でも高いんやったらユタカ君が何と言おうが私は止めといてって言うわ。無理してほしくないし自分が出来る範囲で持つ事に意味あると思うからさ。アカンかったらこっから出てカラオケでも行こうよ!で、もしやで?もしこの金額よりも低かったら今日私をキッカケに持って欲しい。指切りしよう!ユタカ君も祈っててよ!頼み込んでくるわぁ!』
そう言って、社長の居る受付に向かう。