ココロクスリ
祖父母は私達を大切にしてくれていた。
だけど,どこかで疎ましくも思っていたのか実の娘である母親に対する思いだったのかは分からないが,私に強く当たる時がたまにあった。
だけど我慢するしか選択肢のない私は祖母に言われた通りに従うしかなかった。
―お前の親がお金を渡さないからこれだけしか食べるな―

―お前は母親にそっくりな顔だ―

―頭が悪いのは母親に似ている―

―泣きもせずに嫌味な子だ―

家の事も,たくさんした。

毎日,誰よりも早く起きて洗濯をして
朝ゴハンの準備,自分の学校に行く用意とお弁当を作り,妹と弟の保育園に行く用意。

学校が終われば友達と遊ぶ事も許されず洗濯を取り込み風呂掃除をしてから夕食の買い出しに夕食作りをする。

そして誰よりも遅く眠りにつく。

そんな毎日が当たり前になっていった。
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