ココロクスリ
『ちぃちゃんさぁ…どうやって売上あげてんの?』
沈黙をやぶったのはミィちゃんの一言だった。
『色売りしてんの?』
―色売り―
SEXをさせる代わりに商品を買ってもらう方法だ。
もちろん犯罪だし私はそんな事していない。
「してないですよ!」
少し強めに言うとミィちゃんはさらに、
『普通さ、新人が連続で売上あげるなんて事ないんやよね!あんたが何して売ろうが勝手やけどミィ達に迷惑かける真似はせんといてや!』
いきなりの事で驚いていたが沸々と怒りが湧いてきて―
「人の心配してる場合じゃないでしょ?だいたい色売りしてまでこの仕事するなら風俗行きますよ!自分の売上悪いからって人に八つ当たりするんは筋違いじゃないんすか?」
と、ぶちまけてしまった。
みるみるミィちゃんの顔は真っ赤になり怒りに満ち溢れた様になった。
『あんたさえ来なければ良かったのに…消えてよ!マジうざいだけやねんっ!』
罵るミィちゃんに私は呆れて、
「はいはい!分かりましたからデモあるし集中出来んので出てって下さい!早よアポ掛けしたらどうですか?」
と、目も合わさず言いはなった。
壁を思いっきり殴ってミィちゃんは部屋を出ていった。
私は怒りで震えてヒデさんに電話する事にした。