ココロクスリ
―コンコン―
電話を切ってすぐにされたノックに駆け寄り鍵を開けてドアをひらくと優しい顔が見えた。
「ほんますいません。」
申し訳なく思い繰り返し謝るとヒデさんは笑ってくれた。
部屋に招きホテルにあるコーヒーをいれてヒデさんに出して座ると、
『あ、サンキュ!で?ミィは何て言ってきたの?』
猫舌やねんと少し照れてコーヒーを冷ましながら聞いてきたのでありのままを説明した。
もちろん私の生意気な言い方も原因だ、と付け加えて。
少しの間黙って聞いてくれてたヒデさんがまた優しく微笑みながら、
『うん。ちぃは悪くないよ!たださ、口は災いの元って言葉があるくらいだから自分で生意気言ってしまったって思うんやったら次からは言葉を選んで話すのも大事な事だよ!ちぃはわかってるからくどくどしく言うつもりはないけどね!ミィも今までは系列会社の中の女の子では売上良くてチヤホヤされてたから焦りもあるんだろうし分かってあげてね。まぁそれをちぃにぶつけるのは思いっきり筋違いやけどね。』
ちゃんと目を見て話すヒデさんは信用出来る人だと私の中で確定された。
ミィちゃんの事は他の人には言わないでおく事にして今は自分のデモに集中しようと思えた。
「ヒデさんありがとう!気持ちが楽になりました。こんなモヤモヤした気分でわざわざ来てくれるサブに会うのも嫌やったから良かった。」
『おっ!良い事言うやん!そうだよぉ。サブを見下すと自分もサブに見下されるしサブは自分の鏡なんだよ!偉いやんか!今日も頑張ろう!俺も今日は受付に居るから気持ち大きくもってな!』
「ははっ!自分で言わないで下さいよ!でも、ほんまにありがとうです!頑張りますねっ!」
それからヒデさんと今日会うサブの話をしたり一緒にランチしたりして楽しい時間を過ごした。