ココロクスリ

するとタクミは正直に話すよ、と前置きしながら話し出した。

『実はさ、今日営業の話されたらヤラせてくれたら買うとか言って前と同じようにヤルだけヤッて契約書適当に書いて後でクーリングすればいいや!って気持ちで来たんだよね。だけど今日ちぃちゃんと会って俺も変わらなきゃなってほんと思えたんだよ。だからどんな形でもいいから今日をキッカケにした物があれば今日のこの気持ちを忘れないでいれる気がする。あんまり高いのは無理だけどちぃちゃんからなら買いたいし大事にしたい。』


ちゃんと目を見て言ってくれたタクミを見ると感極まってつい涙が出た。

私ってこんなキャラやった?って自分で思うくらい変わってきた。

そしてタクミは65万円のネックレスを購入してくれた。


受付に居たヒデさんに今日の事を話したいので後で時間下さいと言うとヒデさんは指で丸を作ってOKしてくれた。

全てがうまくいくようなそんな気がしたあの日。


そう―

あくまでそんな気がしただけ―――


だったのにな―――――

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