ココロクスリ
そんな中,
真由さんが
紹介してくれた
―――[誠]―――
という男と知り合った。

誠は,
背も高くないし
特別カッコいいわけでもなかった。

だけど,
笑った顔が
とても優しくて
どこか父を思い出させてくれた。

誠は19歳で
長距離トラックの運搬業をしていた。

私は,どんどん誠に惹かれていき一緒に居れば居るほど深みにはまりこんでいった。

「ちぃは可愛いな」

誠に言われる度に
とても嬉しく思い
もっともっと言われたくて
自分を磨くのに力を入れた。

だけど,
誠は仕事で
週末しか居なかったから
寂しくて耐えきれなくなる自分が居た。
そのうち誠の仕事にも度々着いて行くよぅになった。

誠はそんな私を
嫌がるどころか
可愛いと言い,
「どこにも行かないで」
と,寂しい目をして言うよぅになった。
私達はお互い依存しあっていたんだ。

そして,その依存の様は狂っていたと今は思う。
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