ココロクスリ

そんな生活が
1年もたった頃,
私は違う学校の同級生に告白された―

もちろん,断ったし
私は誠が居ればそれだけで良かった。

なのに,
どこからか
その話が
誠の耳に
入ったらしく
その日,誠の機嫌はすこぶる悪かった。
会うなり,

「他の男に告白されたんやって?」

と、聞かれて

断ったと言っても機嫌は直らなかった。
挙げ句の果てに

「他の男と話をした」
と罵られはじめた。

私は必死に謝り,
もぅ二度と
話もしないし
目も合わさないと
言ったが,
信じてもらえず
結果,学校に行くことすら許してもらえなくなりその日から4ヶ月も学校を休んだ。

と言うより一切誠と離れる事を許されなくなり監禁生活をおくる事になる。

1秒たりとも誠が知らない私をつくる事は禁止された。

普通に考えてみればおかしい事に気付くだろう。

だけどあの頃の私にとって誠という存在は私の全てでありそれが普通だと思っていた。

完全に狂っていたんだと思う。

いつしか大好きだった
優しかった
あの笑顔は
日に日になくなり
会話もなく
ただただ
つまらない毎日を
消化していたに
過ぎない。

そんな不安を体を重ねる事で誤魔化していた2人だった。


―――[愛する事]を知らない誠―――


―――[愛される事]を知らない私―――

いつしか2人の間には修正しきれない深い深い溝が出来ていたね。

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