ココロクスリ

お互いの実家にも行ったね。

初めて行くヒデの家はお母さんが1人で暮らしてて快く迎えてくれた。

ヒデの小さい頃の写真をお母さんと見て笑った。

母親にとって大切なヒデの成長を私に見せてくれた事に感謝したんだ。


『早く孫の顔見せてね。』

帰り際に言われた言葉に照れながら別れた。

お土産に持たせてくれたおにぎりはとっても美味しくて電車で食べたね。


私の実家に来た時は、最初こそ緊張してたけど方言が暖かいと言ってすぐに馴染んでくれたヒデ。

おじいちゃんなんか気に入って一緒にお酒を飲んで盛り上がってた。

あんなじぃちゃん初めて見たんだよ。

ありがとう。


ヒデ―…。

あなたは、私の最後のココロクスリ―…。


そうだと信じたかった。


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