ココロクスリ
異変に気付いたのはヒデと付き合って3年たった冬頃だった。
食欲がなくてダルい。
体重が異常なくらい減っていた。
『妊娠してるんちゃうん?』
真由さんの言葉に一瞬焦った気持ちは嘘じゃない。
だってまだ18だった私は母親になるっていう事がよく分かってなかったから。
『不安なんだったら検査薬した方がいいで!もし妊娠なら赤ちゃんは日に日に大きくなるんやから。』
真由さんの言葉に頷き帰りに妊娠検査薬を購入した。
寮に帰りトイレに飛び込む。
説明書を読み、尿をスティックにかけた。
その瞬間―…
判定窓の色が変わり真っ直ぐ青い線がくっきり見えた。
「―…うそやん!」
言葉とは裏腹に私は自分がニヤついてる事に気付いた。
あぁ、嬉しいんやん。
ほんまに?赤ちゃんが私のお腹におるん?
ヒデと私の赤ちゃん。
可愛いやろなぁ。
一瞬の間にたくさん想いが巡った。