ココロクスリ

『チィ?大丈夫?』
なかなかトイレから出てこない私を心配して真由さんが声をかけてくれた。

ハッと我に返り、トイレから出てニッコリ緩んだ顔を戻せないまま、


「どうしよ!赤ちゃんおるみたい!」

と、言うと


『おめでとう!どうしようって顔じゃないけどな!あぁもう泣けてくるわ!心配ばっかりかける妹め!』

と、ボロボロ泣く真由さんを見て私も感極まって泣いた。


ありがとう。

本当に真由さんが居て良かったよ。



少し落ち着いてから真由さんが、『ヒデさんに話しなよ?』と言うので私は部屋に戻りヒデに電話した。


ヒデの喜び方は異常なくらいだった。

私さえ良かったら是非産んで欲しい!結婚しよう!

興奮気味に話すヒデは子供みたいだったね。


あぁ。神様―…。

あなたは悪魔ですか?

返して下さい。

何で私を選んだの?
奪うくらいなら

何でお腹に宿したの?

ねぇ―…。

大っ嫌いな神様―…。

答えてよ―…。

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