【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
山田くんの手に力が入る。
視線が交わり、恥ずかしいのに目を逸らせなくて。
真っ赤に染まった頬なんてバレバレで。なのに、やっぱり見つめていたくて。
山田くんの顔が傾く。それに合わせて、そっと目を閉じた。
……のに。
「……わあっ!?」
待っていたのは、キスじゃなくて。
乱暴に頭を撫でられ、思わず間抜けな顔で山田くんを見る。
「えっ、な、え!?」
「……ごめん。ちょっと、諸事情」
「……へ?」
しょ、諸事情?
訳がわからなくて首を傾げる。頭の上には、疑問符がこれでもかってなくらいに浮かんでいる。
山田くんは『……あー、だから』と言いにくそうに言葉を濁すと、あたしから目を逸らしてぶっきらぼうにつぶやいた。
「……止まんなくなりそうだったから、止めた」
「……、へっ?」
「……ていうかそもそも、ここ柚希ん家の前だし」
そう言われれば、そうだった。
あたし、自分家の前でなにしてるんだ……!!