【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「ねぇねぇ、あの人カッコよくない?」
「うちも思った!ねぇ、ちょっと声かけてみてよ」
「えぇ~っ?でもほら、忙しそうだよ」
「じゃあ何か注文して来てもらおうよ」
そんな会話が途切れたと同時に、
――ピンポーン♪
カフェにしては珍しい、各テーブルに備え付けの呼び出しボタンの音が鳴った。
一番近くにいた私が注文を取りに行こうと歩き出すと、そんな私より先に先程から忙しなく動き回っている我が彼氏が先陣してしまった。
……く、一歩遅かった!
「お待たせいたしました。ご注文お伺いいたします」
翼のことを、カッコよくない?と、たった今話していた女ふたり組のテーブルに着き、当の本人の翼が問いかける。
見事、注文をして翼を呼び出そうという作戦が成功し、うれしそうに翼を見つめるふたり。
その様子を、私は物陰からコッソリと覗き見ている。
……あれ、私変人?
「え~っとぉ、スマイルひとつ♪」
「……はい?」
「とびきりのスマイルください♪」
ちょっと、人の彼氏になんてこと注文してんじゃいここはマックちゃうぞ。
と、エセ関西弁でツッコミたい衝動を抑えつつ、事の成り行きを見守る。