【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
でも、それも仕方ない。
だって、ここ何ヵ月かで溜まっていた不満を、 最後の『ばか』に存分に込めさせて頂いたんだ し。
私だって、会えなくて寂しかったんだよばか。
私だって、ヤキモチ妬くんだよばか。
私だって、翼のこと毎日想ってるんだよばか。
なのに、格好なんかつけるな、ばか。
随分と不貞腐れて言ってしまったのはわかって いたけど、私、絶対可愛くない顔してた。
そう思って少し後悔していたのに、チラリと覗 いて見えた翼の顔は、ビックリするくらい真っ 赤で。
そりゃもう、え、大丈夫病院行こうか!?って、 思わず大騒ぎしてしまいそうなほどだった。
「……美喜、その顔でそのセリフはズルい」
「えっ?……わっ」
ぎゅーっと、抱き締められる。
「つ、翼くん?ちょっと、美喜さん苦しいなー 」
「……あっ、ごめん」
て、おい!!離すのかよ!!
ついつい乱れてしまった言葉遣いを振り払い、 自然と膨らんだ頬のまま翼を見上げる。
うん、これは、空気が集まったんだ。
あくまで、集まった。
あまりの翼の鈍感ぶりに、私の乙女心が物足り ないと主張しているだけだ。
もちろん、そんな私の膨れっ面を見て、わかり やすく困惑する翼。