【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
…………。
…………。
「……はっ?」
口から出たのは氷点下の声。
なぜ、今、このタイミングでカミングアウトしたんだ。
今の流れは、これから甘い時間が待っている流れじゃなかったのか。
とことん恋愛小説の展開をぶっ壊してくれるね翼くん。
しかも、ずっと楽しみにしていたプリンを、まさかの翼が食べていたなんて。
ダブルの怒りやら戸惑いやら色んな感情が混ざり合って、複雑な心境になった。
ええ、とても複雑な。
その複雑な心境の全てが、一言になって現れる。
「サイテー☆」
とびきりの笑顔で言い、思いっきり翼の足を踏んづけた。
「……っ!……ッ!」
「帰る」
悶絶している翼にくるりと背を向け、更衣室へと入る。
サイテーサイテーサイテーサイテー!
荒々しく服を脱ぎ、乱暴にロッカーへと投げ入れた。
なによ、久しぶりにキスでもしてくれるかなーって、ちょっぴり期待してたのに。
……なのに。
「……サイテー」
拗ね全開の、熊谷美喜が出来上がってしまった。