【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
着替えて更衣室の外へ出ると、周りに負のオーラをまとわり付けた翼が立っていた。
一瞬亡霊に見えて、一歩後ずさってしまった。
「……ごめん美喜。まさか、美喜がそこまでプリン食べたかったなんて知らなくて……」
「……、はい?」
ちょ、ちょっと待て。なぜそうなった。
翼は、本当に本当に本当に反省しているようで。しかも私が怒っているその原因は、すっかりプリンのせいだと思い込んでいる。
……いや、あながち間違いでもないけど。
でも、一番ショックだったのは、翼があの流れをスルーしたからで……!
とは、言えず。
「……これから買いに行こ?一緒に」
……想像以上に、この一言の破壊力が抜群で。
文字にしたら大したことないけど、生で、彼氏に、目の前で言われたら。
――ドギューーーーーーーーーーーンッ。
と、ハートが撃ち抜かれてしまった。
「……っう、ん……」
つい今まで怒っていたはずなのに。
湯気が出るくらい顔が熱くて照れてしまって、うつむき、まともに返事ができない。
そんな、今度は照れ全開な私に対して、翼はそれはそれは嬉しそうにはにかんでいた。
……私の大好きな、八重歯が見える翼の笑顔。
ズルい。