【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが！！

俺を見つめる六花ちゃんの瞳に、今にも溢れんばかりの涙が溜まる。


どうしていいかわからなくて、俺はただ焦るばかりだ。



「……ご、ごめ、」


「……どうしたの？どっか痛い？」


「ちがっ、……くて」



ついに一粒、六花ちゃんの頬を伝った雫。

それが合図だったかのように、両目からポロポロと涙が溢れ出した。


六花ちゃんと同じ目線まで屈んで問い掛けてみるも、六花ちゃんは首を横に振るだけ。


その間も零れる涙を拭ってあげたいのに、指が動かない。



――もし、拒否されたら？

“ビクッ”て反応されたら、俺、絶対立ち直れねぇよ。



……きっと、ここが俺と山田の違い。


山田はなんの躊躇も気恥ずかしさも心配もなく、サラッとこういうことをするんだ。

いや、やってのけてしまう、か。


けど、俺にはできない。

なぜなら、その男気もスマートさも行動力も、俺には無いから。


……だーっくそ。このヘタレ!！