【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


しばらくその場で立ち尽くしていたけど、前を向き直って歩き出した。


とぼとぼ。
例えるなら、そんな感じだろうか。


さっきの出来事で驚き、引っ込んだと思っていた涙は、

頭が冷静になってくると同時に、またジワジワと視界を歪ませていく。



「……っ」



涙が一粒、足元に落ちた。


少し前まで、要くんとデートしてたのに。

あんなに楽しみにしていたデートだったのに、私が台無しにしてしまった。



「……うぅ~~~~……っ」



立ち止まり、ゴシゴシと涙を拭った。


手元を見れば、服についた真っ黒い染み。


アイラインやらアイシャドウやらファンデやら、色んなものが混じり合ってスゴいことになっている。


……あーあ、これはもう、このコート着れないわ。


恐らく顔面も恐ろしいことになっているだろう。


でも、もういいや……。


と、半分自暴自棄になったとき。


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