【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「……伊吹先輩、まさかウソ泣きですか」
「失礼ね、ほんとに泣いてたわよ。綺麗な心で流した涙よ」
そう言うと、要くんはじとーっと怪しむ目でこちらを見る。
疑心。ダメ、絶対。
ふうっと小さく息を吐いて。
もう一度要くんと向き合う。
「幸せだなぁーって思ったの。こんなに近くに要くんがいるから」
ニッコリ笑顔でそう言い、要くんの首に腕を回してチュッとキス。
この辺は、魔性の女と噂された伊吹スミレのテク。
大半の男の子はこれで大人しくなる。
……まぁ、八割は私自身が要くんにキスしたくなっただけなんだけども。
久しぶりすぎて感覚忘れてたなー。……って。私、赤裸々すぎるかしら。
チラッと上目遣いで要くんを見つめてみる。
案の定、要くんは真っ赤で。
「……心臓に悪いんすけど」
なんて不貞腐れ気味で言われ。
でも。
「なーんにも怖くない♪」
むしろ、カワイイ。