【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
――カランコロン♪
と、そんなバカ丸出しのやり取りをしていると、ドアのところに付けられたベルが鳴った。
一斉にそちらに視線が向く。
細かな雪とともに店内に入ってきたのは、ずっと待ちわびていた人たちだった。
「あっ、山田くん!」
「……っ」
彼女の第一声は、相変わらず俺の名前。
俺と目が合った瞬間、ぱあって音が聞こえるんじゃないかってなくらいの勢いで笑顔になった柚希が、小走りで駆け寄ってくる。
俺のすぐ前まで来ると、一度向けた笑顔をハッとした様子で逸らし、手ぐしで髪を整え、よしっ。と頷くとまた顔を上げてヘラッと笑った。
寒さのせいか、ほんのり赤くなっている鼻の頭とほっぺ。
普段お団子で上げてある栗色の髪の毛は、下ろされてフワフワに巻かれている。
柚希の着ている淡いピンク色のピーコートと髪についた白い雪。
緩みきった笑顔は、いつもと変わらず本当に幸せそうで。
……あぁ、なんか……柚希だ……。
「……こんばんは」
「ヘヘッ。こんばんは」