【続】クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
ふっと微笑み挨拶を交わせば、へらぁ~っとユルむ柚希の口元。
“好き好き”ってオーラを、全身から発してることに気づいてないのかな、この人は。
「……あれ、というかみんなは……」
ふと周りを見渡すと、各々カップル同士になって話しているようだ。
柚希と一緒にお店に入ってきた女子メンバーは、柚希と同じように、どうやら彼氏の元に一直線だったらしい。
と、タイミングよく目が合ったスミレ先輩が、ニコッと笑みを浮かべる。
「ひさしぶり聖!会ってなかったから一ヶ月ぶりかな」
「お久しぶりです、スミレ先輩」
ペコっとお辞儀をすると、『相変わらず聖は律儀だね』なんて眉を下げて愉快そうに笑う。
3年のスミレ先輩は受験生。冬休みも勉強詰めで、きっと大変なはずだ。
学校でも、あまり要と会えていないのを知っている。
だから、今日は久々に勉強から解放され、羽を伸ばす貴重な日なんだろう。
要も不満こそ言わなかったが、内心はやっぱりさみしかったと思う。
今日一日、あんな変な名前の男子会を開いてしまうくらい、テンションが上がってしまうのもわかる。
きっと、スミレ先輩に会えるのこの日を、ずっと楽しみにしていたんだろうな……。